あおみなぎさ

■あらすじ

「はじめてのおこづかいだ!なににつかおう?」

 

チロとポンは、好奇心旺盛な子うさぎの兄弟。お店にならぶおいしそうな果物を目の前に、もらったおこづかいをもっと増やしてみたいという気持ちがふくらみます。そこで思いついたのが、おこづかいで買ったりんごを使い、音楽もたのしめるりんご屋さんを開くことです。

 

町の子どもたちの協力のもと、みんなの期待をのせてついにりんご屋さんは開店!…しかし、かんじんの大人たちにはまったく相手にされません。

 

落ちこむ2匹に、夜空のお月さまはビジネスのヒントをさずけます。そして、その後にひかえている新たな出会いが2匹を取りまく世界を変えていくことに…。

 

お話を楽しみながらお金の知識を身につけられる絵本です。



■作品にこめた思い

世界はワクワクできて、楽しくて、やさしいもの…これが、私が絵本を通して子どもたちに伝えたいメッセージです。そんなキラキラした世界の中でのびのびと自分を発揮し、自分が自分であることを楽しんで、遊んでほしいなと思っています。

 

絵本は、子どもたちに新しい世界を紹介し、視野を広げるパワーがあります。想像力たくましい子どもたちは、たった1冊の絵本からどこまでもイメージを膨らませ、興味を広げ、好きなものを見つけていきます。それが、絵本の枠をこえた探究心を育むことにつながっていくのです。

 

この絵本では、お金やビジネスにまつわる世界を子どもたちに紹介しています。お金にまつわる話は、子どもたちからすると一見とっつきにくく思えるかもしれませんね。そんなとっつきにくい話をわかりやすく伝えるため、子どもの内側にスッと入っていきやすい性質をもつ絵本に今回の主題を溶けこませ、作品の構想を練りました。やわらかな雰囲気の絵とかわいらしい動物たちによるストーリーを織り合わせ、その世界観の中でお金やビジネスの話が繰りひろげられていきます。そうすることで、一見無機質に思えるむずかしいテーマも生き生きとしたものに感じられるのです。お話を楽しく読んでいくうちに、お金の知識をやさしく身につけられるようにすることを心がけて作った作品です。

 

この絵本を読んだ子どもたちが、新しい世界のおもしろさに触れ、肌で感じる世界を広げるきっかけになればとても嬉しいです。


■作品紹介

この作品を貫く大きなテーマは、「金融教育×絵本」です。今回の作品であつかっている金融教育とは、まず、お金がなぜ必要なのか、どんな働きをするものなのかを小さい子どもでも理解できるようにすることです。同時に、子どもたちのおままごとでも身近な「お店やさん」を通して、お金を増やすためにはどうしたらいいのかを考え、ビジネスにふれる体験もしてみます。私自身が、公認会計士として現場で学んだ経営知識ももりこみました。

 

…こう書くと、ちょっとむずかしそうに思われるかもしれませんね。実際のお話は、子どもたちが楽しく読めることを一番に心がけて構成しています。むずしい言葉も大きな数字もいっさい登場しません。個性豊かなキャラクターたちが繰りひろげるストーリーにのせることで、金融のお話も生き生きと面白く感じてもらえると思います。

 

この大きなテーマと並行して、成長まっただ中にある子どもたちが、社会における自分の存在をはじめて認識し、自分の価値とは何なのかを考え成長していくというもう一つのテーマも走らせています。

 

お話の中では、主人公の子うさぎたちがビジネスという立場からはじめて他者と関わっていきます。その中で、仲間と協力して大きなことに取り組む喜びや、はじめてのことに挑戦するワクワク感、そうして挫折した時に味わう気持ちを感じていきます。そうしためまぐるしいできごとを乗りこえ、人に喜んでもらう体験をすることでビジネスの本質を体感し、成長していく子どもたちのストーリーなのです。

 

また、このストーリーの進行にあわせ、春から秋へと移り変わる美しい色彩の変化を水彩イラストで表すことでも取りいれています。

 

この絵本が、子どもたちの興味を広げ、ワクワク世界への切符になってくれることを願いながら作りました。


■プロフィール

あおみなぎさ

 

公認会計士。東京大学卒業。

 

監査法人から独立後は、会計・税務書籍の監修・執筆などを手がけるほか、イラストやキャラクターをまじえて分かりやすく解説した初心者向け会計ブログ(月間26PVを達成)も開設しました。

 

子供の頃から、絵を描くことやお話を作ること、新しいキャラクターを生みだすことが大好きでした。ここに、異分野をかけ合わせて新しいジャンルをつくり、一見むずかしそうに見えることも新しい発想を入れて分かりやすく紹介したいと思い、アイデアを考えつづけています。大人をはるかに超える子どもたちの驚くべきイメージ力からも、毎日バシバシと刺激を受けています。

 

オリジナルキャラクターのLINEスタンプも販売しています。

 

■ギャラリー